情報処理技術者試験対策のページ>午前対策 目次
テクノロジ系 技術要素 システム運用・保守
システムの安全制御
- フェールソフト
- 障害が発生したとき、機能が一部低下しても可動を続けること
-
装置やシステムの一部が故障した場合に、性能が低下しても処理を継続しシステム全体のサービス停止にならないようにすること
-
フェールソフトの考えに基づいて設計されたシステムが、故障発生時にとる動作
-
システムの一部に障害が発生したとき、システムを全面停止とせず、それ以外の部分の機能でシステム必要最小限の機能を維持するための運転を継続する
-
ハードウェアの障害時に、パフォーマンスは低下するが、構成を縮小して運転を続けられるようにする
-
クラスタ構成のシステムにおいて、あるサーバが動作しなくなった場合でも、他のサーバでアプリケーションを引き継いで機能を提供する
- フェールセーフ ( fail safe )
- 障害が発生したときに重大な問題にならないように、安全な状態になる工夫がしてあること
-
故障や操作ミス、システムに障害が発生したときでも、常に安全側にシステムを制御すること
- フェールセーフ設計の例
- 機器が故障したり人間が操作の間違いを犯したりしても、安全だけは確保する
- 作業範囲に人間が入ったことを検知するセンサが故障したとシステムが判断した場合、ロボットアームを強制的に停止させる
- 異常動作の信号を検知したときは、自動的に停止するようにする
- 交通管制システムが故障したときには、信号機が赤色が点灯するようにする
- アプリケーションを間違って終了してもデータを失わないように、アプリケーション側の機能で編集中のデータのコピーを常に記憶媒体に保存する
- フォールトトレラント / フォールトトレランス ( fault
tolerant )
-
システム構成に冗長性をもたせ、部品が故障してもその影響を最小限に抑えることで、システム全体には影響を与えずに処理を続けられるようにする
- 瞬時の障害発生も許されないときに採用される耐障害性の強いシステム構成技術
-
システムを構成する重要部品を多重化して、コンピュータシステムの信頼性を高め故障に備える技術
-
システムが部分的に故障しても、システム全体としては必要な機能を維持するシステム
-
システムを停止することなく、本来のすべての機能を続行する
- 例
- システム全体を二重化する方式
- ネットワークカードのコントローラーを二重化しておき、故障したコントローラーの方を切り離しても運用できるようにする
-
システムを1台のコンピュータではなく、複数台のコンピュータで多重化する
- 装置を二重化し、一方が故障してもその装置を切り離してシステムの運用を継続できるようにする
- フールプルーフ
- 危険や間違いに繋がりそうな操作を未然に防止するために、簡単な操作では動作させないようにする
-
人間がシステムの操作を誤ってもシステムの安全性と信頼性を保持する
-
利用者が誤った操作をしても、システムに異常が起こらないようにする
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オペレーターが不注意による操作誤りを起こさないように、操作の確認などに配慮した設計
- 例
- メニュー画面上の不適切な項目や使用権限のない選択肢は、選択できないようにする
- 不特定多数の人が使用するプログラムには、自分だけが使用するプログラムに比べて、より多くのデータチェックの機能を組み込む
- プログラムを使用するときの前提条件を文書に書いておくだけでなく、その前提を満たしていないデータが実際に入力されたときは、エラーメッセージを表示して再入力を促すようににプログラムを作る.
- 乾電池のプラスとマイナスを逆にすると乾電池が入らないようにする
- 電子メールでの返信が必要とされる受付システムの入力画面で、メールアドレスの入力フィールドを二つ設けて、同一かどうかをチェックする
- 操作に不慣れな人も利用するシステムでは、間違ったデータが入力されることが想定されるので、誤入力が発生しても、プログラムやシステムを異常終了させずに、エラーメッセージを表示して次の操作を促す
- フォールバック ( foll back )
- 障害が発生したとき、システムの一部機能を縮退させて稼働を続けること
-
サービスのレベルを低下させてもシステムの運転を継続維持する
-
不具合が起きた場合、不具合の箇所を含む分割可能な部分を切り離して、残りの部分で処理を続行する
- フォールトアボイダンス ( fault avoidance )
- 定期保守やレビューなどにより障害発生を回避する手段
-
システム構成要素の個々の品質を高めて故障が発生しないようにする概念
-
故障が発生したときに対処するのではなく、品質管理などを通じてシステム構成要素の信頼性を高める
-
一部機能の障害によってシステムが停止しないよう、ハードウェアやソフトウェアを十分に検証し、信頼性の高いものだけでシステムを構成する
-
障害の発生を予防できるように、機器の定期保守を組み入れた運用システムの設計
-
例
- RAID2を採用してハードディスクのMTBFが従来製品の2倍になるようにする
バックアップシステム構成
-
情報システムの障害対策として、建物や設備、システムのバックアップなどに対する二重化が求められる
- システムの多重化
- デュアルシステム
- 同じ処理を行うシステムを並列に接続し、互いの処理結果を照合することで処理の正しさを確認しながら同一処理を行うシステム
- どちらかのシステムに障害が発生した場合は、障害が発生したシステムを切り離し、縮退運転によって処理を継続する
- デュプレックスシステム ( duplex system )
-
シンプレックスシステムとはことなり2系統のシステムで構成され、一方は現用系としてオンライン処理を行い、もう一方は待機系として現用系の故障に備え待機状態にあるシステム
-
待機系はバッチ処理を行っている場合もある
-
通常は一方のプロセッサは待機しており、本稼働しているプロセッサが故障すると、待機中のプロセッサに切り替えて処理を続行する
- 予備系には、通常は他の処理を行わせるが、現用系に障害が発生したときはその処理を中断し、業務システムを起動する
- ウォームスタンバイシステム
- 予備系は、OSは立ち上げているが業務システムを全く起動していない状態で待機させる。現用系に障害が発生した時点で、予備系に切り替え、業務システムを起動する
-
予備系のシステムはOSを立ち上げているが、オンライン処理のプログラムはロードされていない状態で待機している
-
現用系に障害が発生したときは、速やかに予備系に切り替えて処理を続行する
-
別の場所にバックアップシステムを用意し、緊急時にバックアップシステムを起動してデータを最新状態にした後にサービスを回復する
- ホットスタンバイシステム
- 現用系と同じ業務システムを最初から予備系でも起動しておき、現用系に障害が発生したときは、予備系に自動的に切り替える
-
予備系のシステムはオンライン処理のプログラムをロードした状態で待機し、現用系に障害が発生したときは、自動的に予備系に切り替えて処理を続行するシステム
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現用系から待機系へ、現用系が動作中であることを示すメッセージを定期的に送信し、そのメッセージが途切れたとき、現用系に障害が発生したと判断し待機系に切り替わる
-
待機系は、現用系が動作しているかどうかを監視していて、現用系のダウンを検出すると現用系が行っていた処理を直ちに引き継ぐ
- コールドスタンバイシステム
-
全く同じ構成のシステムを複数構築し、片方は通常通りに稼動させ、もう片方は稼動させずに待機させておく
-
本番系システムに障害が発生した場合は、待機系システムが自動的に稼動し、本番系システムのかわりに処理を開始する
-
切り替えに若干時間がかかり、切り替えの間システムは停止する
- 負荷分散システム
-
現用系と予備系という区別をせずに、両方を並列運用する。どちらかの系に障害が発生したときは、それを切り離し、残りの系だけで運用を継続する
- システムの稼働率の高い順
1.デュアルシステム 2.コールドスタンバイシステム 3.シンプレックスシステム
- サイトの多重化
- ホットサイト
-
業務の中断をできるだけ最小限に抑えたい場合に有効
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導入や維持のコストがかさむことになり、全ての業務に適用することは難しいため、基幹業務に限定して導入し、コストを抑えなければならない
-
遠隔地にバックアップに必要な施設を準備し、現在利用しているものと同じシステムを導入しておく方式
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待機系サイトとして稼働させておき、ネットワークを介して常時データやプログラムの更新を行ない、障害発生時に速やかに業務を再開する
-
別の場所に常にデータの同期がとれているバックアップシステムを用意し、緊急時にバックアップシステムに切り替えてサービスを回復する
- ウォームサイト
-
必要最低限のインフラ設備やシステムに関わるリソース、主要なシステムの稼働に必要な主要ハードウェアやソフトウェアの一式をあらかじめ保管しておく方式
-
通常は稼働しておらず、必要となった時にシステムを立ち上げる
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別の場所にバックアップシステムを用意し、緊急時にバックアップシステムを起動してデータを最新状態にした後にサービスを回復する
- コールドサイト
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必要最低限の機材と設備環境のみを用意しており方式
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緊急時にバックアップシステムを持ち込んでシステムを再開し、サービスを回復する
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必要となった時に機材の搬入・設置・設定を行う
- 一般に障害発生から復旧までの時間が短い順
1.ホットサイト 2.ウォームサイト 3.コールドサイト
- その他
-
同じようなシステムを運用する外部の企業や組織と競艇を結び、緊急時には互いのシステムを貸し借りして、サービスを回復する
- サイトの復旧
- ウォームスタート
システムの再立ち上げの過程で、システム停止時に処理中であったジョブのうち、処理の続行が可能なものは処理を再開させ、入出力キューに残っているものは、そのまま処理の対象とする
- コールドスタート
- システム障害が発生したときにシステムを初期状態に戻して再開する手法であり、イニシャルプログラムロードとも呼ばれる
-
システムの初期化のために、イニシャルプログラムローダによってコンフィギュレーション情報を主記憶上に展開する
- フェールオーバー ( fail over )
障害が発生した場合でも、処理やデータを他の処理装置に自動的に引き継ぎ、切り替え処理を意識させない
- フェールバック ( fail back )
障害から復旧した元のシステムに、代替システムから処理を引き継いで元の状態に戻すこと
- バックアップ機器(電力系)
- UPS ( 無停電電源装置 )
-
重要な業務の運用をサポートする装置への設置が推奨される
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停電時などに、蓄電池を利用してコンピュータシステムや周辺機器に電源を安定供給し、コンピュータシステムを電力トラブルから守る装置
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停電や電圧が低下したときに、商用電源に代わって、LANやサーバなどに一定時間電力を供給する装置
-
電源の瞬断に対処したり、停電時にシステムを終了させるのに必要な時間だけ電源供給する
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コンピュータに対して停電時に電力を一時的に供給したり、瞬間的な電圧低下の影響を防いだりするために利用する
-
導入例
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業務用サーバの停電対策として導入予定の自家発電設備は、停電を感知してから安定した電源供給が得られるまでに1分かかる。その1分間のサーバ用電源を確保するために利用する
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CVCF
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UPSのうち、特に交流電力を供給するための装置
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外部からの電力供給の停止や電圧が低下した場合に、内部のバッテリーなどを利用して電力を供給し、安定した電圧や周波数を得ることができる
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負荷の変動による周波数や電圧の変化を安定させる役割も併せ持つ
- UPS選択の着眼点
- 常に安定した電圧で電源供給できるか
- 電源供給が停止した際に、サーバに対して安全にシャットダウンするよう通知できるか
- 雷などによるサージが発生しても接続された機器がその影響を受けないようにできるか
- バッテリーの容量が必要な機器を必要な時間稼働させるのに十分であるか
- スマートメータ
- 通信機能及びほかの機器の管理機能をもつ高機能型の電力メータ
- 停電時に補助電源として一定時間電力を供給し続けることができる
- 自動検針が可能になり、検針作業の効率向上につながる
- 電力需要制御が可能になり、ピーク電力を制御することができる
- 電力消費の見える化によって、電力需要の平準化につながる
- 非常用発電機
長時間にわたる停電でも処理の継続が要求される場合に設置を考慮することが望ましい
- アレスタ
雷サージによって通信回線に誘起された異常電圧から通信機器を防護するための装置
- 情報システムを落雷によって発生する過電圧の被害から防ぐための手段
サージ保護デバイス(SPD)を介して通信ケーブルとコンピュータを接続する
- MCCB ( Molded Case Circuit Breaker ; 配線用遮断器 )
過負荷や短絡などの要因で二次側の回路に異常な電流が流れたときに電路を開放し一次側からの電源供給を遮断することで
負荷回路や電線を損傷から回避するために用いる装置
- 避雷針
建築物を落雷から保護する
システム構成
- ロードシェアシステム
同一の処理機能を持った複数のコンピュータによって、端末制御 及びデータ処理を分担して実行するシステム
- シンクライアント
端末内にデータが残らないので、情報漏えい対策として注目されている
利点:サーバ側でアプリケーションやデータを管理するので、セキュリティが強化できる
- サーバ構成の二重化によって期待する効果
可用性の向上
- 事例
画像情報を含む大量のデータの定期的な更新を必要とする商品カタログシステムとデータのリアルタイム更新が要求される会議室予約システムをWANで結ばれた社内ネットワーク上のグループウェアアプリケーションとして使用する場合のデータ量とアプリケーションの運用を考慮したときのデータベース配置
(このグループウェアには複数のサーバ間で自動的にデータベースの内容を一致させる複製機能があり指定した時刻に更新内容を複製元のデータベスから複製先のデータベースに反映することができる)
商品カタログシステムは複製機能を使って複数サーバ、会議室予約システムは単一サーバに配置する
システム運用・管理
- キャパシティ管理
システム負荷について現状分析と将来予測を行い、サービス水準の維持のためにシステム資源を適切に管理すること
データ量の増加予測に対して、システム資源の増設計画を立案し実施する
- 課金制度
- システム運用にかかわる費用を、ユーザ部門に公平に賦課するための管理制度
- 定額制課金
- 時間による定額制
- 帯域での定額制
- トラフィックパターンが安定しており、トラフィック量もほぼ一定値以上であれば定額制がよい
- 10Mbpsで契約するとそれ以上の速度は出ない
- 従量制課金
- 時間による従量制や帯域による従量制がある
- ピーク課金
- ピーク時のトラフィックを目安に課金する
- バースト的に短時間に大量のトラフィックが発生する場合、それを規準にすると料金が非常に高額になってしまうため、単純なピークではなく、95%タイル法を適用する場合が多い
- 平均値課金
1ヶ月の平均トラフィックに対して課金する
- 95%タイル法
- 瞬間的に、あるいは1日のみピークがあっただけでも法外な課金になる危険性があるため、それを回避するために適用する
- 5分平均や10分平均といった感覚で使用トラフィックを測定し、1ヶ月の測定値を大きい順に並べ、上位5%の使用トラフィックは課金の対象にしないという制度
- 上位5%を除き、次に最も高いトラフィックに対して課金が行われる
- 逓減課金方式
利用単位に応じた課金額を少しずつ減らしてく方式
- オンラインシステムの性能監視における注意事項
OSやネットワークなど複数の測定項目を定常的に監視する
- 入力データの管理
入力データが記録された磁気媒体の保管、機密保護、不正使用防止は、システム運用管理部門が行う
- データバックアップ
- ウイルスや不正アクセスなどの外部からの攻撃、故意や過失による情報の上書き、災害による情報システムの損壊などによる情報の消失から、情報を保護し、完全性と可用性を保持するために実施する
- バックアップは定期的に行う必要があり、バックアップデータは、オリジナルデータと異なる場所に保管する
- 業務処理がバックアップ処理と重なると正常にバックアップされない可能性があるので、両方の処理が重ならないようにスケジュールを立てる
- バックアップしたデータの整合性を補償するために、バックアップ処理と業務処理が重ならないようにスケジューリングする
- バックアップ処理を正常に終わらせるためには、バックアップ処理と業務処理が重ならないようにスケジューリングするとよい
- 差分バックアップ
差分バックアップ方式での復旧は、フルバックアップで修復した後に、差分を加えて行う
- ネットワークシステムの管理・運用
運用管理者は、各種ネットワーク機器の使用に対する課金管理機能を準備しておく必要がある
- 分散システムの運用
データベースなどの共通資源の管理のために、集中型システムと同様に専門の管理者を置く
- データ管理
- 情報システムにおけるデータのオーナー
システム部門に開発、運用および保守を委託している業務の主管部門
- データ保全
- インテグリティ
インテグリティ(完全性)を保証するためには、プログラムによる機械的なチェックだけでなく、必要に応じて人手によるチェックも重要となる
- インテグリティ(完全性)を脅かす攻撃の例
Webページの改ざん
- 機密性脅かす攻撃
システム内に保管されているデータの持ち出しを目的とした不正コピー
通信内容の盗聴
- 可用性脅かす攻撃
システムを過負荷状態にするDoS攻撃
- 管理情報の取扱い
-
管理は少人数の管理者グループで行う
-
管理用アカウントは、個々の管理者専用のものを使用する
-
管理情報は、セキュリティレベルなどを考慮した上で一般ユーザへの公開を行う
- クライアント管理
- 社内システムにおける利用者IDの管理
登録されているIDや利用者の権限などを定期的に点検する
- インベントリ収集
クライアント管理ツールに備わっている機能で、業務に無関係なソフトウェアがインストールされていることを検出するもの
- オペレータ管理
-
コンソールオペレーションは、操作ミスを防止するために、原則として複数の要員で行うようにする
- コンピュータルームにおけるオペレータの行動
- 適切な物
ジョブの異常終了の原因が、システムリソースの不足にあることがわかったので、運用マニュアルに記載された回復処理手順に従ってジョブを再処理した
- 不適切
- オペレーションミスによる障害が発生したので、ジョブを再実行した。この結果、予定時間内に作業が完了したので、正常処理として扱った
- ジョブの実行に必要なデータファイルの記録媒体が準備されておらず、保管庫の管理者が不在だったので、自分自身で保管庫から取り出して、ジョブを実行した
- プログラムの開発者から直接、緊急のジョブを実行するように依頼があったので、この依頼を自分の判断で受け入れて、緊急のジョブを処理した
- アクセス管理
複数の業務システムがある場合、利用者の職位権限にかかわらず、業務システムごとに適切なアクセス権限の設定を行う
- 運用業務の見直しに当たって、最初に実施すべき活動
現状の運用業務の実態を明確にする
- 変更管理の管理策
本番環境のシステムに、テストが不十分なプログラムや、要件に合っていないプログラムが適用されることを防止するために、開発プログラムについては利用部門によるテストも実施する
- 記録媒体の管理
- どのような情報が記録されているかを外見から判断できないCDやDVDなどの記録媒体は、ラベリングを行わないと、機密データが記録されている媒体を誤って廃棄してしまったり、データ更新時に新旧の内容が混在するなどにより、完全性に影響を及ぼすことになる
- ラベリングの際、「機密」や「極秘」などと大垣することにより、かえって盗難や改ざんなどの危険が高まるため、あらかじめ定めた略称やIDなどを用いて識別するようにする
- ラベリングを行った媒体は、番号やIDなどを割り振り、台帳によって管理をする。台帳に記録されている内容と媒体の状況が一致しているか、定期的に突き合わせを行い、盗難や不正な持ち出しなどがないかを確認する
- 台帳によって管理する記録媒体は、記録されているデータの重要度や機密性のレベルによって、格納場所や保管の手順を定める
- 倉庫や書庫などに格納する場合は、適切な施錠管理を行い、その鍵も厳重に管理をする
- 情報処理システムの運用管理業務
- 情報システム部門とユーザ部門で分担する
- 性能集計業務は、情報システム部門だけでなくユーザ部門の管理者と共同で行う
- 多数のエンドユーザが業務で頻繁に使用するシステムを更新するときのシステムアドミニストレータと情報システム部門の役割
- システムアドミニストレータが主体となって遂行する業務
業務改善の立案
- 情報システム部門が主体となって遂行する業務
システムの運用管理
- システムアドミニストレータと情報システム部門が協力して遂行する業務
業務改善策に基づいたシステム構築
システムのセキュリティポリシの策定
- 各支店に分散配置されている多数のサーバを情報システム部門のサーバに統合するとき、各支店のシステムアドミニストレータが配慮すべき点
運用時間帯の自由度がなくなるなど、業務運用に支障が生じないように、現場及び情報システム部門との調整を十分に行う
- 複数の PC にワープロ、表計算などのソフトウェアを導入するときに、システムアドミニストレータが考慮すべき点
PC 間のデータ互換性や、ライセンスコストを考慮して導入するソフトウェアの標準化を図る
- エージェント機能を利用した運用監視の例
監視対象機器内の監視プログラムがリソースの使用状況を監視し、しきい値を超えたら監視サーバに通知する
- 変更管理
承認された変更を実施するための計画を立て、確実に処理されるようにする
保守
- 保守業務の分類
- .適応保守
例)OSのバージョンアップに伴い、アプリケーションソフトウェアの修正が必要となったときに行うソフトウェアの保守
- 完全化保守
- 是正保守
- 予防保守
- 臨時保守
- 業務プログラムの運用・保守の考え方
業務プログラムに精通することは運用管理を容易にするが、全ての担当者がそうなることは困難なので、運用マニュアルなどを整備しておく必要がある
- 運用開始後のネットワーク構成の管理
必要に応じていつでもネットワーク構成の変更を行う事ができるように、機器管理台帳・ネットワーク図・管理台帳などの更新を適時実施する必要がある
ネットワーク構成の変更の都度、ネットワーク構成図を更新する
-
長期の保守計画を立て、システムに異常が見られなくても定期的に保守を行う
- ツールレス保守
サーバマシン内部の基盤などをモジュール化し、そのモジュールの取り付けをレバー式にする
- 台帳管理
配備した機器を特定するときに有効となる様に機器の設置場所を台帳に記入しておく
- 全国に分散しているシステムの保守
保守センタを1箇所集中から分散配置に変えることによって、MTTRは短くなる
予防保守を実施することでMTBFを長くできる
- ソフトウェア/プログラムの保守管理
- 保守作業の生産性に影響しないもの
運用中に発生するソフトウェアの障害件数
- 保守作業の生産性に影響するもの
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ソフトウェアの検証を行うときの難易度
-
ソフトウェアを変更するときの難易度
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プログラムやドキュメントがどの程度理解しやすいかの度合い
- 影響度の調査を効率よく行うためには、リポジトリなどのツールを使用する
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本稼働中のライブラリのプログラムは直接修正せず、テスト用のライブラリにコピーしてから修正作業を行う
-
障害を引き起こす可能性のあるプログラムを見つけ、あらかじめ修正する
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ソフトウェアの保守作業の効率向上施策
コーディング規約に準拠したプログラムの作成
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ソフトウェア保守
稼働中のソフトウェアに対して、発見された障害の是正や、新しい要件に対応するための機能拡張を行う活動
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アプリケーションシステムの更新作業
アプリケーションの変更内容は、障害原因などを究明する際にも役立つので必ず記録する
-
アプリケーションの保守
- 適切
保守作業が完了しないまま放置されるのを防ぐためにも、保守完了を記録する
- 不適切
- テスト終了後は速やかに本稼働中のライブラリにプログラウを登録し、保守承認者に報告する
- 変更内容が簡単であると判断できるときは、本稼働用のライブラリを直接更新する
- 保守作業は、保守作業担当者によるテストが終了した時点で完了とする
- データベースシステムと業務アプリケーションが稼動しているサーバのOSのバージョンアップの案内が届いた場合、バージョンアップを行うか否かの判断
バージョンアップされたOSでのデータベースシステムの稼動を確認した後に、業務アプリケーションの稼動を確認し、問題がなければバージョンアップをする
- システムのハードウェア保守
-
予防保守は、故障が発生する前に対策を実施する
-
異常が発生していなくても、計画的に保守点検を行う
- ハードウェアの保守点検及び修理作業を実施するときに、運用管理者が実施すべき、事前又は事後の確認
臨時保守の場合、事前に保守作業者が障害の発生状況を確認したことを確認し、事後に障害原因や作業実施結果を確認する
- バスタブ曲線
工業製品の故障発生の傾向を表すものであり、初期故障期間では故障率は高くなるが、その後の偶発故障期間での故障率は低くなり、製品寿命に近づく摩耗呼称期間では故障率は高くなる
(1)初期故障期:製作課程での欠陥により使用開始とともに故障する時期
(2)偶発故障期:ごく稀にしか故障が発生しない安定した時期
(3)摩耗故障期:部品などに摩耗や劣化が蓄積してきて故障が増加してくる時期
コンピュータシステムのライフサイクルを故障の面から、初期故障期、偶発故障期、摩耗故障期の三つの期間に分割するとき、システムを故障なしに長い時間動かすためには、偶発故障期に定期点検で部品を交換することによって、摩耗故障期を迎える時期を遅れさせることが重要である
- 印刷されたマニュアルをオンラインマニュアルに切替えることによって改善が期待できる問題
アプリケーションのバージョンとマニュアルのバージョンが一致しない問題
- 品質の定量評価の指標のうち、ソフトウェアの保守性の評価指標なるもの
修正時間の合計 ÷ 修正件数
- 変更管理に該当する作業
ソフトウェアベンダから提供されたセキュリティパッチの内容を確認し、自社システムに適用する場合の影響を評価する
- ある製品の開発に使用された組込みシステムの開発環境における維持管理
開発環境は、使用頻度に関係なく、定期的に動作確認などを行って維持管理すべきである
障害対策
- 情報システムの安定稼動を妨げる様々な脅威への事前対策
予想損失額や対策コストとのトレードオフを考慮して、必要な事前対策を講じる
- ファイル障害時の復旧手順を確立するための検討項目の順番
- ファイルが使用不能となる原因の分類と、それらの原因による使用不能事態の発生から復元までに許される時間の基準の設定
- 業務の重要度に応じた、バックアップの取得方法、取得サイクル、バックアップファイルの保管場所などの決定
- ファイルが使用不能となった原因ごとのシステム復旧に要する時間の設定
- 各業務、ファイル別の、使用不能となった原因ごとのリカバリ手順のマニュアル化
- エンドユーザへの障害対応窓口として設置されたヘルプデスクの対応手順
- 受付
- 記録
- 問題の判別
- 応急処置
- 原因究明への優先度設定
- 原因究明と問題解決
- オンラインシステムの障害対策
マスタファイルは、オンライン処理の終了時にバックアップファイルを取るだけでなく、システムの特性に応じた時期にバックアップファイルを取る
- システム障害への対策
-
システム障害から効率よく回復するために、日常からオペレーション実施記録を残して異常が起きていない期間を明らかにしておく
-
運用管理を行う上で、業務システムとそのクライアントとを対応付けておくことによって、システム障害時に影響範囲の把握が可能となる
-
システム障害から迅速に回復するために、障害回復マニュアルを整備し、回復訓練を実施する
- 縮退運転
-
損害箇所を部分的に切り離し、システムの機能や処理能力を落としても稼働させること
-
障害が発生した時点で、その後に実行する予定のジョブのスケジュールを変更すること
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故障した構成要素を除去し、能力を低下させてもシステムを継続的に稼動させること
- システム障害の監視
システム障害の原因となる業務処理の遅延なども監視の対象となる
- 事業者の基幹となる業務で使用しているシステムにおける障害対策の考え方
障害の発生は避けられないものと考えて、一部の障害によってシステム全体が停止したり、業務が再開できなくなったりしないような対策を準備すべきである
- データベースサーバのハードディスクに障害が発生した場合でもサービスを続行できるようにするための方策
サーバのディスクを二重化し、通常稼動時は同時に二つのディスクに書き込む
- ダンプファイル
システムに障害が発生したときにメモリの内容をファイルに書き出したファイル
障害の原因特定に用いる
- システム障害発見時に、二次災害発生の危険性がある場合に、運用管理者が障害範囲を特定した後で取るべき処置
障害部分の切り離し
- ネットワーク障害の原因を調べるために使用するLANアナライザの運用時に留意すること
LANアナライザにはネットワークを通過するパケットを表示できるものがあるので、盗聴などに悪用されないように注意する必要がある
- システムの障害対策
- 適切
- サーバのディスク障害によってデータが破壊された場合を想定し、複数のサーバ間でデータの複製をもつ
- 停電や落雷によるハードウェアの故障の範囲を限定するために、LAN配線用サージ保護器を設置し、さらにネットワークを幾つかのセグメントに分割する
- 不注意によるケーブルの切断によってネットワークが利用できなくなる範囲を最小限にとどめるために、スター型トポロジを採用する
- 不適切
- ネットワーク管理ソフトウェアのバグによるシステムの停止を回避するために、複数のCPUを搭載したサーバを導入する
- トラブル対応の例
- 情報システム部門が構築した基幹業務システムのクライアントとなっているパソコンが障害内容を画面に表示して突然動かなくなった
画面に表示された障害内容によって、自分で対応できる障害か、情報システム部門へ依頼すべき障害かを判断する
- パソコンを用いて作成したテキスト形式の会計データを情報処理部門が管理する全社会計システムへファイル転送する
双方のアプリケーションで使用している文字コード体系を事前に確認する
- オンラインシステムの稼働中に、システムが急に応答しなくなったと利用者から連絡があった時に、運用管理者が最初に行うべきこと
コンソールメッセージの確認
- 本番稼動中のシステムに発生したソフトウェア障害への対処として、最初に行う作業
障害の内容を把握するための検証
- ハードディスクの障害発生時に、前日の状態までに復旧するためのバックアップ方法
週次のフルバックアップに加え、毎日差分バックアップを行う
サービス
- システムインテグレーションサービス
-
複数ベンダの製品を統合し、最適なシステムの設計、製造、テスト、運用・保守などを一括して請け負うサービス
-
システムの全面からシステム構築、運用、保守までに必要となる業務を一貫して請け負うサービス形態であり、一定基準を満たす事業者に対して優遇税制もある
- システムインテグレータ
情報システムの企画、構築、運用などの業務を一括して請け負う企業
- MSP ( マネージドサービスプロバイダ )
ネットワーク、サーバ、ストレージなどのIT基盤の運用管理業務をネットワークを介して行うアウトソーシングサービス
- システム運用をアウトソーシングする利点
自社の情報システム部門を企画や開発などの業務に専念させることができる
- 外部のストレージサービスの利用を検討しているとき、可用性の観点でサービスを評価する項目
緊急のメンテナンスに伴うサービスの計画外の停止時間
- ホスティングサービス
- 専門業者の設置したサーバを利用者へレンタルするサービス
- 専門業者の通信設備やサーバの一部を利用者が利用できる
- 事業者が所有するサーバの一部を顧客に貸し出し、顧客が自社のサーバとして利用するサービス
- サービス選定のポイント
- サービス形態が共有ホスティングか、専用ホスティングか
- データ転送料の制限があるかどうか、あるとすれば目的に合致するものであるか
- 利用できるとされている機能が目的に合致するものであるか
- ハウジングサービス
- ユーザ所有のサーバをISPなどの施設に設置するサービス
- 自社のサーバや通信機器を専門業者の施設内に預けて使用する
- サービス提供者が、利用者の通信機器やサーバを自社の建物内に設置し運用するサービス
- サービス選定のポイント
設置する場所の電源要領が必要十分であるか
- 得られる効果
自社サーバによるサービス提供に必要なネットワークや施設に関する費用を低減することができる
- 顧客のサーバや通信機器を設置するために、事業者が所有する高速回線や耐震設備が整った施設を提供するサービス